GA Approach to DX Advisory〜PMO支援〜

DXアドバイザリーを提供する弊社では、 

  1. ITの実態把握を目的としたITデューデリジェンス
  2. 企業の経営戦略や事業計画を実現するためにITをどのように活用していくか、中長期的な観点であるべきITの姿を整理するITグランドデザインの策定
  3. ITグランドデザインに基づき、個別のプロジェクトを推進するPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)支援 

の3つのサービスを提供しています。

初回はITデューデリジェンス、2回目はITグランドデザインの策定についてご説明しましたが、最終回となる今回はPMO支援を取り上げます。

 

PMOの定義と体制

そもそもPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)とは、一般社団法人日本PMO協会によると「組織内における個々のプロジェクトマネジメントの支援を横断的に行う部門や構造システム」とされ、主な役割として以下が挙げられます。

  • プロジェクトマネジメント方式の標準化
  • プロジェクトマネジメントに関する研修など人材開発
  • プロジェクトマネジメント業務の支援
  • プロジェクト間のリソースやコストの各種調整
  • 個別企業に適応したプロジェクト環境の整備
  • その他付随するプロジェクト関連管理業務

一般的なIT関連のプロジェクトにおける体制は下図のようになるので、PMOは上述の役割を担うことでプロジェクトマネージャーを補佐する組織体と考えることができます。
通常、プロジェクトマネージャーはIT部門の役職者(CIOや情報システム部長など)が任命され、PMOにはIT部門のメンバーが選ばれることが多いです。

GAのPMO支援の概要

PMO支援のスコープは、それぞれのプロジェクトの目的に応じて変化しますが、弊社の過去のご支援事例では、

  • 基幹システムの刷新
  • ITのスタンドアローン化
  • IT内部統制の構築・強化
  • DX推進

の4つが主要なスコープになります。
各スコープの主な特徴と対応ポイントは以下ご参照ください。



一方で、どのスコープにおいても共通して求められ、かつプロジェクト推進において弊社が最も重要だと考えている要素はベンダーコントロール力です。

なぜなら、自社のエンジニアによって自社内で開発・実装を完結させる内製主義でない限り、IT関連のプロジェクトを進める際にはベンダーを起用することが必須となるためです。
また、昨今はさまざまな有用なパッケージ製品やクラウドサービスが登場していることもあり、それらを組み合わせてシステムを構築することが一般的となっています。そうすると、1つのプロジェクトにおいて複数のベンダーを起用・管理するマルチベンダー状態となります。
そのため、さまざまなベンダーと協力関係を構築しながらプロジェクトを進めることが、プロジェクトの成否の鍵を握るといえるでしょう。

しかし、そこに影を落とすのが昨今のIT人材の不足です。
プロジェクトマネージャーも、それを支えるPMOを構成する人材もいない、またはいたとしても極めて限られた人数で担うという事業会社は数多く存在します。
上述のとおり、プロジェクトに関与するベンダーが増加傾向にあるにも関わらずです。
そうすると、プロジェクト関係者間のコミュニケーションに齟齬が生じたり、本来検出できたリスクを見逃したりすることで、プロジェクトが円滑に進まなくなり、ひいては予算やスケジュールが当初想定を超過するなどの結果につながってしまいます。
本来であればベンダーコントロールができるIT人材を採用したいところですが、そのような人材は引く手あまたのため採用に至らず、やむを得ずITコンサルティング会社やフリーランス人材にPMOを外注する場合が多い印象です(弊社にお問合せいただくのもこのパターンが多いです)。

とはいえ外注にもさまざまなメリットがあり、

  • 外注先のネットワークを活用することで、自社ではコンタクトがないベンダー / 知見がないソリューションを知ることができる
  • 人材を採用することと比較して、リソースを柔軟にコントロールできる

ことなどが挙げられます。

また、外注先の知見やノウハウを引き継ぎ、自社の経験値とすることができれば、次回以降は自社で完遂することも期待できます。
つまり、当該プロジェクトの重要度や優先順位を踏まえ、適切に外注を検討することが望ましいと考えます。

手前味噌で恐縮ですが、PMO支援における弊社の強みは、「多様なベンダーとの協業実績にもとづくベンダー選定力とベンダーコントロール経験」と考えています。
まずはお客様にとって最適なベンダーを選定することが重要ですが、過去の協業経験を踏まえ、単なる価格やスキル比較にとどまらず、社風の適合度や長期的な信頼性も考慮してベンダーを選定します。
そのうえで、当該ベンダーと健全な緊張関係をもってプロジェクトを推進していきます。プロジェクトにおいて課題が発生するのはやむを得ないため、リスクを早期に検知し未然に防ぐ、またはリスクが大きくなる前に解消することを目指します。そのために、お客様およびベンダーと密にコミュニケーションを取りながら進めていきます。
これ自体は他社でも実施されていると思いますが、弊社の高柳は、25 年にわたりソフトウェアおよびインターネット関連企業の経営に携わってきた経験を持ち、ベンダー側の事情や思考プロセスを実体験として深く理解しています。そのため、お客様の意向を尊重しつつ、ベンダーの立場も踏まえた適切なベンダーコントロールを実現できると考えています。




PMO支援のご支援事例


弊社のPMO支援はスコープやプロジェクトの規模、お客様のIT部門体制などの様々な要素を考慮し、オーダーメイドなご提案をします。
過去の支援事例をもとに、どのような関わり方があるのかをご説明します。


ケーススタディ①
スコープ:IT内部統制の構築・強化
支援期間:4ヶ月

本件は、将来のIPOを見据え、IT内部統制の強化を企図していたお客様から相談をいただいたケースです。
事業が順調に成長し、売上が右肩上がりで伸びていたものの、IT面では過去に導入した古いシステムやExcelを利用していることによる業務の歪み(ex.システムの機能不足をマニュアルでカバーしている / システムを場当たり的に導入したため連携が取れていない など)が生じていました。
また、過去にシステム構築を主導したIT担当者が既に退職していたため、同社のITの全体像を理解している人がおらず管理面が不安定でした。
そのような状態であったため、まず最初の1ヶ月ほどで現状のIT環境(システムやインフラ、IT組織体制、セキュリティなど)の実態把握を行い、顕在化している課題や潜在リスクを洗い出しました。
そのうえで、重要度や緊急度に応じてつけた優先順位に沿って対応を進めていきました。
一例としては、

      • リプレイスが必要と評価した一部システムの刷新(Excelからの脱却を含む)
      • セキュリティ対策のソリューションの追加
      • 情報システムの統制や運用管理のルールの整備を企図したISMS認証の取得

などの方針を策定し、ソリューションやベンダーの比較検討・選定までご支援しました。
なお、同社ではIPOを念頭にCIOやシステム部門の採用は別途進めていたこともあり、上述の方針策定後の導入作業などは自社で対応されたため支援期間は4ヶ月となっています。


ケーススタディ②
スコープ:新規事業におけるシステムの構築および改善
支援期間:18ヶ月

本件は新規事業においてシステムを新たに導入し、運用を高度化するにあたってのPMOをご支援したケースです。
事業を立ち上げた当初は、自社の基幹システムの一部の機能を使いながらExcelなどでのマニュアル運用をしていましたが、事業が軌道に乗ってきたことで業務負荷が大きくなったため、当該事業用のシステムを導入することになりました。
webサイトなどのフロントエンドと、データ管理などのバックエンドのシステムを構築する必要がありましたが、業務負荷を低減するため、ベンダー選定〜最低限必要な要件を満たした第一次のシステム構築を6ヶ月で実施し、その後継続的にアップグレードしていく方針をとることとしました。
一方でこれは、新規事業であるが故に必ずしも業務要件が固まっておらず、事業を推進・拡大していくなかで見えてきた要件をシステムに取り込むためでもありました。
そのため、バックエンドのシステムは一定程度柔軟な開発を行えるローコードのプラットフォームを採用しました。
また、システム開発と並行してデジタルマーケティングやSEO対策などの施策も実施していたため、多岐にわたるベンダーが登場することでコミュニケーションが煩雑なことが課題となっていました。
それらを踏まえ、本件における弊社の主なご支援として

      • システム構築におけるベンダー選定から第一次の開発のプロジェクト管理
      • 第二次以降のシステム開発および各施策のベンダーのコントロール
      • 会議体の設計やビジネスチャットの活用による、関係者間の情報の集約・整理

などを行い、一連のプロジェクトや施策が安定的に運営されるまでPMOの役割を担いました。



このように、PMO支援の関与の形はさまざまですが、プロジェクトの状況やお客様のリソースを踏まえ、弊社として最適な関わり方をご提案しています。


これまで全3回に分けて、弊社の提供するサービスについてご説明してまいりました。
ITを専門に扱う私たちからしても、ITに「完璧」はなく、各企業の現状や目指す姿を踏まえ適切な水準を設定し、その実現に向けた対応を行うことが重要であると考えています。
一方で、その水準は同業他社や業界の標準とも関係し、自社だけで最適解を見出すのは難しい場面もあるかと思います。ITの導入や利活用において、プロジェクトの初期段階での計画や方向性はその後の成功を大きく左右します。そのため、社外の知見を活用することも前向きに検討いただければと思います。

私たちは、お客様を深く理解し、最適な解決策をともに考え、実現へと導くパートナーでありたいと願っています。 IT観点で具体的なお困りごとがあれば、あるいは課題を整理する段階からでもお気軽にご相談ください。

 

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