システムは「作らず、使え(No Making, Just Using)」 〜なぜ今 Fit to Standard が重要なのか〜


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今年もゴールデンウィーク明けにインテリア・デザインのための 国際見本市 interirorlifestyle TOKYO が東京ビックサイトで開催されます。 明治43年創業の老舗硝子店 「木村硝子店」 のECサイト及び基幹システムの構築秘話を、 創業家の木村祐太郎専務取締役と小職でお話させて頂きます。 タイトルは 「ECの成功は”No Making, Just Using”の実践から」 です。


この ”No Making, Just Using” という言葉は、最近私が企業にアドバイスをさせていただく際に使っている言葉です。 以前ポスト しましたが、日本の事業会社のシステム開発の内製率と外注率は、米国の7:3に比べ、3:7と、外注率がかなり多いのです。これがシステムのブラックボックス化や ベンダーロックイン 状態 を招く大きな要因になっています。

しかし最近は Fit to Standard (FtS)(新たに追加開発を行わず、標準機能の中から必要なものを組み合わせて短期間、低コストで効率よく導入する手法。)という言葉があるように、システムを業務に合わせるのではなく、業務をシステムに合わせる思想が主流になりつつあります。これはシステムがクラウドサービス化したことにより、多くの企業が一つのシステムを使うため、利用者からのフィードバックが日々日々アップデートされて、結果、最新の業務フローになっていくことが影響しています。したがって、個別の事業会社が、恐る恐る業務改革と称してTo Be業務を想定し、それに最適なフルスクラッチ(既存のものを使用せず、1から開発すること。)のシステムを開発するという、大きなリスクをとる必要がなくなったのです。つまり、クラウドサービス化したシステムは、ある意味自然にアップデートされるため、ほぼその時代の最新だと考えられるためです。この辺りの仕組みについては2008年10月15日のNHKクローズアップ現代「新情報革命”クラウド”の衝撃」で詳しく表現されていますので、ご興味のある方はNHKオンデマンドなどでご覧になってください。

したがって、事業会社が自らのためだけにシステムを開発する必要がなくなりつつあるため、かならず世界のどこかには存在するであろう、既存のシステムーーこれをパッケージとかサービスと表現することもありますがーーを探しあてて、それを上手く使えば、利用料だけ支払って、開発費と開発リスクをとらなくて良くなったのです。この思想は、私が常々申し上げている「IT前提経営®️」の思想そのもので、もっとわかりやすくNo Making, Just Using(作らず、使え)という標語を作り、ITグランドデザインの構築をお手伝いする際に皆さんに共有させて頂いているのです。

今回の木村硝子店様との対談においては、ECだけではなく、基幹システムも、それまでのフルスクラッチから No Making, Just Using の思想に基づいてフルクラウドサービスの利用に踏み切る、経営的意義を、DXアドバイザーの立場からだけではなく、事業現場からのお話も含めて、議論してみたいと思っています。


ガーディアン・アドバイザーズ株式会社 パートナー 兼 IT前提経営®アーキテクト

立教大学大学院 特任准教授

高柳寛樹

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弊社支援の事例をまとめた資料については弊社の IT 前提経営® アドバイザリーページ よりダウンロード頂けます。

高柳の著書はこちらよりご参照ください。

「IT 前提経営」が組織を変える デジタルネイティブと共に働く (近代科学社digital2020

まったく新しい働き方の実践: 「IT 前提経営」による「地方創生」 (ハーベスト社)2017

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