2022年のM&Aコラムについて振り返ってみました
年明けから月2回の投稿に努めたM&Aコラムも気づけば20回を数えていました。新型コロナの感染拡大でお客様への直接訪問の機会が極端に減り、デジタルマーケティングやリモートワークが普及定着していく中で、新時代のアドバイザリーファームを標榜する弊社としてはお客様との従来型のご訪問接点に加えてないし代えてデジタル接点を持つことに努めています。それにより、本来の提供価値であるアドバイザリーへの人員リソースを高い比重のままにすることができ、ともすると営業中心の組織になってしまうという従来陥りがちだった業界課題に対処することができるのではないかと思っています。
2020年から先行して開始したDX文脈でのIT前提経営®コラムの方はおかげさまでご好評を頂いており、出版のお誘いも受けるほどになりました。M&Aコラムの方もそれを目指して、特に戦略的M&Aの実行を所管とされている方々に向けて、コロナ前であればご挨拶や営業活動のご訪問でご提供していた世相や実務の話題について、それをいかにデジタルコミュニケーションで行っていくかという観点で工夫をしていく所存です。
今回はそのための振り返りも含めて今年投稿させて頂いたコラムの再整理を行ってみました。
のべ1000名を超える方々に記事クリックして頂きました
弊社はHubspotというデジタルマーケティングツールとCRM(顧客情報管理)が統合されたシステムを用いています。コーポレートサイトを取り扱うCMS(コンテンツ管理システム)もシームレスに統合できるというとても使い勝手の良いシステムで、これにより配信したコラムのデータを自動集計して振り返ることができます。
それによると、これまで20件のべ50000通のメール配信をさせて頂いていました。そのうち10000通をメール開封して頂き、1000回クリックして記事に遷移して頂いたようです。当初は1件につき4000通を配信させて頂いておりましたが、期中に送信先の見直しやテーマの絞り込みなどを行い、最近では1件につき1000通弱を配信させて頂くに至っています。
記事の見出しや内容への反応を振り返り、配信対象や内容を変えていくというのは、まさに日々の営業活動を振り返ってやり方を変えていくのに似ています。だれかれ構わずアポ入れして興味のない話に付き合って頂く、というのを繰り返すのは先方様にとっての時間の無駄と、営業側の精神的負担の二重苦が生まれます。次はそうならないためにと営業マンはアポ入れ先と話題を工夫していき精度を高めていくのだと思いますが、デジタルコミュニケーションとなってもその発想は変わりません。開封率やクリック率をみて、時にはショックを受けたりしながら毎回ないし中長期計画で改善していきます。
開封率は最大で27.7%、最低で15.6%
記事の中で最も開封率が高かったのはM&Aに関する名著の紹介と題したコラムで27.7%でした。なお、続いて高かったのはM&Aをする理由としない理由(27.6%)、意向表明書の基本9項目(26.4%) でした。
一方、最も開封率が低かったのはM&AへのMA(マーケティングオートメーション)の活用で15.6%!、次に低いのは買収ターゲットの探索におけるアドバイザーの使い方(18.3%)でした。
メールの開封率ですので見出しへの関心に相関しているのだと思います。M&Aのご担当の方々は、やはりアンテナを高く持たれているのだと感じますが、書籍紹介への関心が最も高いというのは興味深い結果です。実務ノウハウそのものよりも、情報源や思考のきっかけへの関心が高いのではないかと推察しています。
また、当然といえば当然なのですが、M&Aのアドバイザリーに関する話題への関心は落ちます。M&Aの当事者の関心事は、M&Aをビジネスにどう活用するかであって、M&Aビジネスそのものではないという認識が大事だという執筆者側の反省にもなります。
閲覧数が多い順でのブログの一覧
M&Aコラムは当社のコーポレートサイトに掲載しておりますが、その閲覧数の多い順に20の記事を並べてみました。閲覧数はメール配信でクリックして頂くことの他、FacebookやLinkedInからの遷移閲覧、サイト訪問頂いてからの閲覧などでもカウントされていきます。
来年以降の記事制作の参考材料になりますので、ご興味あるものは是非クリックして頂けますと幸いです。
- 新型コロナがもたらしたM&A実務のニューノーマル化
- バリュエーションだけで買収価格を決めるのは難しい
- M&Aに関する名著の紹介
- 買い手と対象会社との相性の重要性
- M&Aアドバイザリーの報酬体系を解剖する
- M&Aの文脈における会社の把握の仕方について
- 買収ターゲット企業の探索におけるアドバイザーの使い方
- M&Aにおける秘密保持のこれまでと今後
- M&Aをする理由としない理由
- 事業会社にとってのプライベート・エクイティ
- シナジーの検討における事例の威力
- 意向表明書の基本9項目
- M&AへのMA(マーケティングオートメーション)の活用
- クロージングの確度を上げるためのインフォームド・ジャッジメント
- 買収できる企業サイズの現実
- 戦略的買収を実現する際のステップと必要な能力
- 戦略的M&Aの実現のためにはオークションは避けて通れない
- 買収価格に予算はあり得るか
- のれんに冷静に臨むための思考の整理
- M&Aアドバイザーの役割
2023年のM&Aコラムに向けて
まずはじめてみようということで年明けからはじめたM&Aコラムですが、定期的な執筆は当初想像以上に時間を要し、社内の締切に間に合わないことも日常でした。配信先と記事内容を考慮しながら、来年も継続していきたいと思っておりますので是非よろしくお願い致します。
ガーディアン・アドバイザーズ株式会社
代表取締役社長 兼 CEO
佐藤 創